これまでに企画・製作した案件の一例です

レーシングカーのマーキング

テツ清水 VITA 2023シリーズ車両

2023年

72歳の現役レーシングドライバー、“テツ清水”さんが2023年のシリーズを戦う車両(VITA)の車両デザインとマーキングのオファーでした。
約30年前のサラリーマン時代に自らレーシングチームを立ち上げた時からのお付き合いで、なんと今回監督も引き受けてしまいました。

s__14106662.jpg 1まずは昨年のカラーリングの車両をドックに持ち込み、古いマーキングを全部剥がすことから始まります。(これが結構な重労働) 2023_vita.jpg 2今回の車両デザインイメージです。今回、クラウドファンディングで参戦費用の支援をいただいた100名以上の出資者の名前を全て車両にマーキングするので、シンプルなデザインですがすごい文字量! s__14147608.jpg 3まず、「ナイフレステープ」でボディに曲線を貼っていきます。このナイフレステープは、ボディを傷つけることなくシートの曲線が切れる秘密兵器! s__14147600.jpg 4クルマのボディは曲面なので、局面に曲線を表現するのは非常に難しく、本来は2人で作業するところですが全部一人でやってしまいます。 s__14147602.jpg 5この黄色いテープの中に秘密の糸が入っているので、シートを貼った後に「糸を引っ張る」ことでシートをカットします。 s__14147605.jpg 6ちょっと見えにくいですが、バンパー等の凸凹して入り組んでいる部分が一番厄介です。 s__14147642.jpg 7赤いシートを貼り終えた後は、事前にコンピュータカッティングして準備しておいた各種ロゴを貼っていきます。 s__14147644.jpg 8レーシングカーって、真っ平らな面がほとんどありません。 s__14147647.jpg 9数十台が走るサーキットでは、遠目に見て目立つようにデザインします。 s__14147654.jpg 10この中腰の作業がメチャメチャ辛い・・・ s__14147648.jpg 11ヘッドライトはダミーなので、遊びゴコロでウインクさせました。 s__14147645.jpg 12クラウドファンディングで支援していただいた方に感謝! s__16007231_0.jpg 13オートポリスのグリッドで決勝のスタートを待つテツ清水氏と監督のワタシ。


煙突のオブジェ

周南市観光交流課 工場夜景サミット撮影会用オブジェ

2022年

『えんとつ町のプペル』という大ヒット絵本/映画のイメージ絵のモチーフとなった[煙突]は周南コンビナートの煙突らしいので、この年の工場夜景サミットで夜景の撮影会のオブジェとして使用したいという依頼でした。
製作に際しては、まず完成イメージスケッチを著作権を管理しているプロダクション/CHIMNEY TOWNに送って許諾を得てから発泡スチロールで製作しました。

05_20220907103458317.jpg 1えんとつ町のプペルのタイトル画面です。背景に広がる工場は、作者の西野亮廣氏が周南コンビナートをモチーフにしたらしいです。この主人公たちが座っている石造りの煙突のオブジェを製作することななりました。 img20220907104110677952.jpg 2事前にプロダクションに送ったスケッチです。 s__12206124.jpg 3煙突の造り方を色々検討してみて、今回はサイズを指定した円柱形の発泡スチロールを予め業者に発注し、表面の石を貼っていく方法にしました。 s__12206121.jpg 4発泡スチロールの板にランダムに石の模様を描きます。 s__12206123.jpg 5切り出した石のパターンを円柱にボンドで貼り付けます。 s__12206113.jpg 6下処理として、外壁用のウレタン塗料を結構厚塗りします。(強度確保のため) s__12206114.jpg 7梯子は、塩ビパイプを曲げて。 s__12206108.jpg 8見た目は鉄製の梯子が完成。 s__12206109.jpg 9遠目で見るオブジェなので、石の塗装のエイジング塗装(汚し塗装)はエアブラシは使わずにスプレー塗料で行いました。 s__12206102.jpg 10なんとなく煙突の雰囲気は出てるでしょう・・・ 04_20220907104831458.jpg 11原画のイメージに合う提灯は、小さいランタンで代用。 s__13377595.jpg 12JR徳山駅構内に設置された「全国工場夜景サミットin周南」ブース s__13377596.jpg 13本当は実際の工場夜景をバックに撮影スポットを設定する予定だったらしいのですが、コロナ禍で色々変更になったようです。


エアー着ぐるみ

宇部市社会福祉協議会のキャラクター『うべっぽくん』

2020年

キャラクター展開が最終的に行き着く先は『着ぐるみ』かもしれません。
クライアントのマスコットキャラクターも自社でデザインする際は、常に着ぐるみを想定してデザインするのですが、「このキャラクターの着ぐるみを作ってもらえますか?」という依頼は大変です。中に人が入ることを想定してデザインされてないので、人が入るスペースと動きやすさ、収納、キャラクターのイメージを崩さないバランス、すべて考えながら創るのは本当に大変でした。

03.jpg 1「このキャラクターを着ぐるみに」というご要望だったのですが、これを着ぐるみにするには相当な大きさになるのと、送風機で膨らませる「エアー着ぐるみ」じゃないと表現できないので相当な難題でした。 s__8855592.jpg 2まずは想像力を働かせて「机上の着ぐるみ」の図面を作ってみます。※でもこの図面は失敗作となりました。 s__8855596.jpg 3卵型の型紙のパターンはこれでいいのか?ミニサイズの型紙を何度も起こしてミシンで縫製。失敗しまくりました s__8855595.jpg 4型紙と同時進行で、エアー着ぐるみの送風機を購入。バッテリーも購入しましたが、バイク用で重い!結果的にこのバッテリーは使わず、軽量のリチウムイオンバッテリーを探しました。 s__9101467.jpg 5エアーが漏れないように、着ぐるみ本体を2重構造に設計して内側をナイロン素材、外側をボア生地に。でもこれが大失敗でした・・・ s__10854419.jpg 6最初の設計段階のバランスがおかしかったのと、卵型のパターンがまずかったので、ちょっと着ぐるみとしては完全に失敗でした。ここまで相当な時間がかかっていましたが、すべてボツにして再度ゼロからやり直しました。 s__11747349.jpg 7身長150cm〜170cm程度の人まで対応できるように、最初のものより大きく設計、型紙の枚数も倍に。
さらに、最初の失敗を反映して出来るだけ軽く。
s__11747348.jpg 8バランスも最初のものより良くなりました(泣)。 s__11747347.jpg 9送風機をバックパックに入れて背負う仕様に改良。 s__11747333.jpg 10フォルムが全然可愛くなりました。着ぐるみとしてはかなり巨大、中の空間も広大なので、1時間でも2時間でも着用に耐えるものができました!(そんなに着ないか・・・) s__11902987.jpg 11今度は満足のいくものが出来たので、自信を持って納品に! s__11903056.jpg 12最初に作った失敗作に比べたら収納スペースも5分の1くらいの大きさです。 s__11902995.jpg 13誰でも間違いなく着用できるように、着用手順もシンプルです。 s__11902996.jpg 14とにかく軽く、しかも丈夫に。 s__11903005.jpg 15中に入る人は送風機とバッテリーを背負いますが、軽いので負担はわずかです。 s__11903008.jpg 16中が広すぎて不安定なので、底面に取り付けたバーと体をハーネスで固定します。 s__11903009.jpg 17送風機には底面から空気を取り入れます。 s__11903013.jpg 18予備で送風機をダブルにして万が一にも備えます。 s__11903016.jpg 19空気を入れ始めた状態。 s__11903020.jpg 20この状態まで約5分で膨らみます。軽量に作ったので膨らむ時間も想定外に短く出来ました。 s__11903035.jpg 21中の人が入れ替わる時間も、ごく短時間で行えます。 s__11903027.jpg 22コロナが収束したらイベントで子ども達にお披露目ですね!


スーツ着ぐるみ

周防大島町 おげんきハグニティのキャラクター『ハグたん』

2017年

キャラクターのデザインも自社で担当させていただいた案件。
発泡スチロール加工は大得意なので、頭の部分は原画にかなり忠実に創りました。

img_4617.jpg 1頭の部分を発泡スチロールで作ります。1個のブロックから頭(中が空洞)を削り出すのは効率が悪いので、輪切り状の図面を起こしてジグソー(普通は熱線)で切っていきます。 img_4618.jpg 2削る前の状態 img_4620.jpg 3電動工具を使って頭の形を削り出していきます。 img_4621.jpg 4発泡スチロールは加工しやすい素材ですが、白い粉まみれになるこの工程が一番悲惨です・・・。 img_4622.jpg 5自分でキャラクターをデザインしているので、微妙な曲線も完璧に再現できます! img_4715.jpg 6頭の中にヘルメットを取り付けて。 img_4720.jpg 7ボア生地を全面に貼り、目のパーツ(黒い部分はメッシュ)を作って完成です。 img_4749.jpg 8色々な材料を加工してパーツを作ります。 img_4751.jpg 9コンピューターミシンも使いこなします! img_4807.jpg 10自分でも着てみましたが、着ぐるみはデカイ人間が着ると怖い? img_4828.jpg 11収納用のBOXもオリジナル。 img_e4854_20220104203401608.jpg 13日本のパッチ・アダムス、この施設の理事長の岡原仁志先生と!


FRPオブジェ

山口市 防長不動産株式会社のイメージキャラクター『モッピー』

2018年

『もっとハッピー』がコーポレート・アイデンディティーなので、『モッピー君』という家の守り神の白蛇をモチーフとしたイメージキャラクターをデザイン。
この立体オブジェと同時に、ぬいぐるみやキーホルダーも製作。

s__7839754.jpg 1まずミニチュアサイズのキャラクターを発泡スチロールで製作(右)。これを中国の縫製工場に送ってぬいぐるみも300体作りました(左)。 s__11960413.jpg 2高さが約1mのサイズの立体オブジェ、しかも直線がひとつもない立体なので、正確な原寸図面と、仕上がりイメージをしっかり頭の中に描いています。 s__11960411.jpg 3頭の部分はもっとも仕上がりに影響するパーツです。 01.jpg 4発泡スチロールの原寸の仮モデルができた時点で、まずクライアントに確認のため車に乗せて運びます。 05-2.jpg 5概ねOKでしたが、頭の部分を「ちょっとだけ小さく」というリクエストでした。 s__11960397.jpg 6出来上がった発泡スチロール原型の上に、FRP処理をしていきます。ガラスマットを樹脂で積層していきます。 s__11960394.jpg 7FRPを2〜3層ほど積層したら、パテで凸凹を埋め、曲面を滑らかにしていく作業を延々と行います。 s__11960392.jpg 8電動サンダーも数種類使いながら、ひたすら地道な作業です・・・ s__11960391.jpg 9キャラクターの台は木製で製作し、カッティングシートで加工しました。 s__11960386.jpg 10曲面の処理がもっとも時間のかかる作業です。 18.jpg 11この時点でFRP(強化プラスチック)になっているので結構な重量です。 23.jpg 12最後にホワイトの塗装、クリアー塗装をして磨きをかけて完成です。 29.jpg 13クライアントの玄関で毎日お役様をお迎えしています。


立体看板

JA周南 周南米訴求看板を立体化

2008年

 
JA周南の直販センター「菜さい来んさい!」のロゴマークデザインと同時に、周南米の精米センター(下松市)の壁面に巨大なキャラクターの半立体看板を製作。

01_20220107221443774.jpg 1精米センターの壁面に設置する看板なので、遠くからでも立体が認識できるかなり大きいサイズです。 02.jpg 2厚さ20センチの発泡スチロールを一次カットした状態。 04.jpg 3金たわしで角を削り出す作業が一番面倒臭いのですが、まあ手抜きはできません・・・ 05.jpg 4この作業は「手作業」じゃ無いと無理なのです。 03_20220107221208808.jpg 5形状の削り出しが終わりました。 06.jpg 6発泡スチロールの上に、ウレタンリム塗装という特殊なコーティングをします。屋外でも丈夫な弾力のあるコーティングで、その上に着色します。 08.jpg 7壁面に取り付けているところです。ちょっと怖い。 11.jpg 8本当は一人で作業するのは危険かも。 10.jpg 9最後にコーキング剤を施して完了です。


住宅模型

広島県庄原市 長岡商事住宅事業部の平屋モデル

2017年

 普通の住宅模型とは一線を画す(多分)模型です。雰囲気を一番大切にしたいので、壁、床、家具のテクスチャーも正確に縮小して出力して再現しています。
最も「普通じゃない」点は、この模型が1/43の縮尺なことです。これはクルマの模型に合わせて図面を計算し直しているからです。

3-2.jpg 1実際のモデル住宅です。 img20220107230137931981.jpg 2実際の設計図面です。立面図、断面図、側面図、平面図など、模型を作るには図面を読み解かないと絶対にできません。 img20220107230146552547.jpg 3この住宅は平屋ですが、ロフトや中二階収納があるので、平面図でも注意が必要! img_2024.jpg 4住宅模型に彩りを添えるのは、何と言ってもクルマの存在です。当初1/50のサイズの住宅模型の予定でしたが、クルマのダイキャストモデルは1/43のサイズしか存在しないので、クルマに合わせて住宅のサイズを1/43に計算し直すというオキテ破りの作業にしました! img_2256.jpg 5建築事務所が作るような「白い」住宅模型ではイメージが伝わるわけない!という自分自身の強いこだわりがあるので、素材感が伝わるようなテクスチャに再現します。 img_2257.jpg 6フローリング、タイル、サッシも再現しています。 img_2280.jpg 7もう材料や道具でごちゃごちゃになるので、アイランド製作スペースを確保して。 s__11903076.jpg 8細かい部分にこだわりだしたらキリが無いですが、中途半端は許せないので・・・ s__11903082.jpg 92次元の図面を立体にするのはメチャクチャ面白い作業です。 s__11903087.jpg 10植栽もこだわってしまうのです。 s__11903085.jpg 11屋根も正確です。 img_2680.jpg 12この向きで見ると、かなり実物を正確に再現しています。 s__11903072.jpg 13どのクルマにするか、悩みます・・・。 s__11903074.jpg 14アクリルケースも、もちろん模型のサイズに合わせて作ります。 s__11903086.jpg 15ここまで創り込むと、納品するのが惜しくなりますが・・・ img_2343.jpg 16こうやって見て頂けるとニヤニヤしてしまします。


立体オブジェ

周南市 マッサージ店の看板に乗っかるウザギオブジェ

2016年

 同業者のデザイン事務所からの依頼で、先方でデザインされたキャラクターの立体オブジェ製作です。最初は発泡スチロールで製作してFRP(強化プラスチック仕様)で納品したのですが、看板が倒れて割れてしまったそうです。(さすがに看板ごと倒れたら割れてしまいます…)
再度製作の依頼となったのですが、同じ仕様にしたくなかったので、2回目は木製で作ってみました。

00.jpg 1この3面図の「うさぎ」の部分を製作します。 01_20220110211136238.jpg 2使用する素材は、発泡スチロール。 02_20220110211148980.jpg 3ポイントは、耳の部分の強度をどうするか、です。 04_20220110211202056.jpg 4発泡スチロール原型です。この表面にガラス繊維を樹脂で積層していきます。 06_20220110211231840.jpg 5そもそもオブジェのサイズが小さいので、ガラス繊維も薄いタイプじゃないとうまくいきません。 07.jpg 6ガラス繊維を積層して固めた後、パテを全面に塗って磨きに入ります。 08_20220110211258241.jpg 7小さい凸凹の処理が何度も続き、ちょっと面倒くさくなります・・・ 11_20220110211314417.jpg 8下地処理、そしてピンクに塗装。 13.jpg 9お尻も可愛いでしょ! 12_20220110211323996.jpg 10店舗のサインも、ちょっとした立体オブジェがあるだけで訴求力が全然違います。
このサイン、店内外に出し入れできるようにキャスターが付いているのですが、これが命取りになりました→
15.jpg 11強風でサインが倒れ、うさぎちゃんが無残にも割れてしまったのです。修理の依頼があったのですが、どうせ作り直すならもっと強度のあるものにしたかったので、今度は木製にしてみました。 16.jpg 12全部木製にすると、頭の部分だけでもむちゃくちゃ重い!なので、大胆に真っ二つにして中を肉抜きしました。 17.jpg 13強度バツグン。 19.jpg 14小さいオブジェを作る方が繊細な作業なので、意外と時間がかかるんです。 20.jpg 15最初のものより若干ピンクを濃くしてみました。 22.jpg 16存在感抜群です。


大型オブジェ(FRPオブジェ+三角塔)

周南市 山口国体歓迎のための立体サイン

2010年

 山口国体で周南市に来られた選手/関係者を歓迎するための看板の依頼だったのですが、どうせなら「八代の鶴」をシンボルにして面白いものを創りませんか?と提案して製作した事例です。かなり大型のサインです。

02_20220110215405128.jpg 1最初に提案したサインのイメージです。 03_20220110215417623.jpg 2三角塔の図面も起こします。 04_20220110215425514.jpg 3鶴のオブジェは、かなり大きなものになりそうです。 06_20220110215444792.jpg 4発泡スチロールの板から切り出した第一段階。 07_20220110215452588.jpg 5作っている最中に、首が何度か折れました(汗)。でも最終的にFRPで強度を出すので大丈夫です。 08_20220110215500224.jpg 6この段階では全然強度が無いので持つのも気を使います。 09.jpg 7FRPの作業は屋内では狭くてできないので、炎天下で行いました。暑かった! 10_20220110215516196.jpg 8FRPの元になるガラスマットです。 11_20220110215523847.jpg 9創るときはすごく楽しいのですが、ガラス繊維を扱うときは気をつけないと身体中がチクチクします。 12_20220110215533499.jpg 10特に羽の付け根、首の部分は強度が必要なので、ガラス繊維を3〜4回積層します。 13_20220110215544033.jpg 11塗装して、鶴の部分がほぼ完成。 14.jpg 12サイン本体の三角塔。これはさすがに自社で作らずに、外注しました。 15_20220110215603604.jpg 13この4本の10mmのスチールボルトで鶴を支えます。台風でも大丈夫なように、十分な強度を計算したつもりですが、こんなの創るの初めてなので、ちょっと心配。 16_20220110215611949.jpg 14徳山駅前のロータリーに設置します。(現在は撤去されています) 17_20220110215619974.jpg 15かなりの重量。 18_20220110215628355.jpg 16遠目で見たら、鶴が飛んでいるように見えます。 19_20220110215653189.jpg 17台風にもビクともせず、山口国体をアピールしてくれました。