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ぶいちの毎日
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No.506 立場を逆にする思考になる本

sanbuichi-koji, 2025年8月17日

今読んでいる本。

「害虫」という名称が誕生した時代の考察、病気や戦争と虫の関係など、切り口が面白そうなので読んでいる。
「害虫」は農業の成立と共に発生したらしいので、人間が食べるものを自分たちで育て始めた=それを横取りするのが害虫という概念。確かに、今でも米作りに害虫対策は切っても切れない関係がある。人間と害虫の関係は絶えることは絶対に無いだろうけど、立場を変えると「害虫」と決めつけられる方もたまったものでは無いだろう。お互いに一生懸命生きているだけなのに…。
この本の冒頭のエピソードが興味深い。
ゴキブリは、元々人間にとって「害虫」扱いをされていなかった。江戸時代には、食器でも食物でも何でもかじりつくしてしまうこの虫を「御器かぶり」と呼んでいたらしい。これが「ゴキブリ」の語源となっている。でも食物が豊かで冬でも暖かな家でなければゴキブリは定着することができないので、江戸時代はゴキブリは『豊かさの象徴』だったという説すらある。群馬県高崎地方では、チャバネゴキブリのことを「コガネムシ」と呼んでいたという。『コガネムシは金持ちだ〜』という野口雨情の童謡で歌われているのは、このゴキブリのことらしい!ゴキブリが多いと金が貯まるという話は全国に残っており、秋田県ではゴキブリを駆除すること自体が自治体で厳しく戒められていたそうな。
今の時代には考えられないけど、それだけ日本は食糧的に豊かになって、昔は共存していたコガネムシを「ゴキブリ」と呼んで悪の象徴のように駆除している。
たまにはこんな本を読んで、立場を変えて見てみると、ゴキブリも「お前たちも一生懸命生きているのになぁ」と思ってしまう。

同じように以前読んだ本で今でも本棚にあるのが

大スズメバチの目線で百田尚樹氏が書いた「風の中のマリア」。スズメバチもこの時期になると完全に人間の大敵として駆除の番組や駆除の方法が話題になる。たかだか1ヶ月の寿命のスズメバチの巣を探し出して駆除するのが「良いこと」のように思われているが、スズメバチも刺激しなければ人間を襲うことはないし、子孫を増やすことをしているだけ。しかも、スズメバチをはじめとしてハチの巣のハニカム構造からは人間は多大な影響を受けていて、特に建築の世界ではヒトは蜂の巣の構造から相当勉強させてもらっている関係なはず。

害虫と言われているゴキブリやハエ、また危険の象徴とされているスズメバチも、逆の立場になってみると、見つけたらすぐに殺しにくる自分の体よりも遥かに大きな「人間」という巨大宇宙怪獣みたいな存在から、彼らはどうやって見つからないように暮らそうか?と考えているじゃないのかな。

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