民生委員辞任 sanbuichi-koji, 2024年4月4日2024年5月12日 3月31日付で民生委員辞職届を出した。 「民生委員・児童委員活動と法律等の知識ガイドブック」に以下の項目がある。 ・・・・・・[政治的利用は厳禁] 第16条 民生委員は、その職務上の地位を政党又は政治的目的のために利用してはならない。 2 前項の規定に違反した民生委員は、第11条及び第12条の規定に従い解嘱せられるものとする。 本条は、民生委員が職務上の地位を政治的に利用することを禁止し、これに違反した者を解嘱することを規定したものです。 「職務上の地位」とは、民生委員が民生委員の立場で調査を行い、要援護者の保護指導ないし生活指導などを行う場合に認められている職務遂行上の地位をいいます。民生委員は、要援護者の私生活に関わり、しかも支援を行う立場にあることから、その職務上の地位を政治的に悪用する場合の弊害は計り知れないものがあります。そのため、民生委員は、その地位を政治的に利用してはならないと規定されたのです。 しかし、これは民生委員としての職務を離れて、一個人として政党に加入し、または政治活動を行うことまでを禁止しているものではありません。したがって、自らの担当区域外での政治活動は、職務上の地位を利用するものではないことが明白なので問題はありませんが、担当区域内での政治活動については、職務上の地位を利用したか否かの判定が非常に困難です。それだけに民生委員としては、当該地域内における政治活動は、できる限り避けるべきでしょう。 ・・・・・・・ 私が約2年前に、前任の16年も(他にやる人がいないから)民生委員をしていて、もう本人も民生委員のお世話になる対象の年齢なので私に引き継いでもらえないかと相談された時に、私は「近い将来政治活動をするかもしれないけど大丈夫なんですか?」「それは大丈夫だよ」と言われたので快く引き受けたのに、どうやらそのようでもないらしい。なので今回辞職届を出すことにした。 やってみたらわかるが、民生委員は地域に絶対に必要な役目。どういう頭で考えたら「政治的に悪用する」という発想になるんだろう。むしろ、国会議員にしろ県議会議員位しろ市議会議員にしろ、およそ議員と名が付く人は強制的に民生委員の役をやらなければいけない、支援を受ける側からすれば、絶対に顔がわかる人の方が声をかけやすいから。民生委員が関わる「70歳以上の独居」「75歳以上の二人暮らし」で、本当に支援が必要だったり生存確認が必要な高齢者は、そもそも家から外に出られないので政治的に利用も何もできないのに…。 私は短い間だけど民生委員を経験して、家は立派だけど若いものが出ていって独居で身寄りのないお年寄りが自分の自治会だけでもこんなにいるのか、と。実際に2ヶ月訪問しない間に独居のお年寄りが孤独死された。自分の環境も、娘が二人とも嫁いでしまったので夫婦二人暮らし。あと20年もすれば高齢者の二人暮らしで民生委員のお世話になることになる。私が担当していた町内の最高齢の男性は96歳の一人暮らし。訪ねていったら必ず30分くらい話す。人生の大先輩と話すことは全然嫌いじゃないし、どんなに話が長くても付き合える。もう「情」が移ってしまっているので、「もう来れなくなったよ」とも言えずに二度とお邪魔しないかもしれないのがすごく残念、っていうか、我が自治会には民生委員が不在になったので、これの方が大問題。ヒトの生死に関わることは何をおいても最優先に考えなきゃいけないんじゃないの? 現場を知らない人が、机の上でもっともらしいマニュアルを作るとみんなが迷惑する。しかもこのガイドブックの文章は、ダメと明言していない。 “それだけに民生委員としては、当該地域内における政治活動は、できる限り避けるべきでしょう。” 日々の感想